紫根は火傷など多くの皮膚疾患に効能を持つ紫雲膏にも配合される生薬です。
DATA |
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植物の名前 | ムラサキ |
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学名 | Lithospermum erythrorhizon |
所属科 | ムラサキ科 Boraginaceae |
分布 | 中国、朝鮮半島、アムール地方、日本 |
薬用部位 | 根 |
・長さ6~10㎝、径0.5~1.5㎝
・外面は暗紫色、木部は類黄色
・根頭部の裂け目の周りは赤紫色
外面が濃い暗紫色でよく肥大し、皮層部が厚いもの
シコニン
・抗炎症、殺菌作用
・肉芽促進などの創傷治癒促進作用
・皮膚疾患、痔疾の改善、解毒、解熱、消炎
シキミ酸経路からメバロン酸経路の「複合経路」
(1)シキミ酸経路
基本構成炭素単位:(C6-C3)
シキミ酸経路産物:p-ヒドロキシ安息香酸
(2)メバロン酸経路(イソプレノイド経路)
基本構成炭素単位:(C5、イソプレン単位)
メバロン酸経路産物:ゲラニル二リン酸
(3)p-ヒドロキシ安息香酸とゲラニル二リン酸の縮合
↓
ゲラニル側鎖の閉環によるナフタレン環形成
↓(複数の酸化反応)
シコニン生成
C6-C3
C5
(1)原料
紫根・当帰・ゴマ油・豚脂・蜜蝋
(2)効能
火傷・痔疾(皮膚疾患)
(1)染料
紅花、藍とともに日本三大色素の一つ
(2)抗がん剤
近年シコニンの白血病、乳がん、肺がんなど多くのがんに対する有効性、シコニンの抗ウイルス活性が期待されている。