セミパブリックスペースをもつアーバンスモールビルの設計(建築設計演習U - 第二課題) |
●講義・演習科目名
建築設計演習U、第二課題
●課題内容
セミパブリックスペースとは私的領域内における公共利用を意識した空間である。都市街区で建築の内外に取り入れられたこのスペースは、都市の歩行空間や休息あるいはイベントなどの豊かな街を生む重要な要素である。近年、札幌の商業施設やオフィスビルにも取り入れられており、ポケットパーク、アトリウムなどのオープンスペースはその一例である。手稲在住のオーナーは、この主旨にそった新しいオフィスビルの提案を求めて、セミパブリックスペースをもつ商業・事務所ビルの設計を、学生諸君に依頼した。
今回の敷地は、手稲駅南口商店街に位置し、手稲神社の参道との連動を取れる立地にある。そのためにも住民の活動(子どもたち・学生・市民サークル・老人クラブ)や手稲神社あるいはイベントに関与する空間でありたい。また日常的に歩行者の休息たまり空間でありたい。 大学近隣の公園に隣接した戸建住宅地に、敷地周辺の状況に配慮しながら学生それぞれの独創性を盛り込んだ小住宅を計画することを求めている。具体的な与条 件として、家族4人の住居にふさわしいスペースとすること、自転車3台、自動車1台を収容するスペースを設けることとしている。
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●優秀作品 金賞
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硝子の森:寺嶋ななみ
設計主旨:
木に小鳥たちが止まって羽を休めるように人も気軽に寄れる、憩いの場となるような空間を提案した。このビルの構造体は半透明の壁。遠くではぼやけて近くではシルエットが見えるという、透明の硝子とは違う程良い距離感を生むことができた。スキップフロアと階段をたくさん設けたことで連続性を保つために基本となるフロアは敷地の形のままスラブを立ち上げた。硝子の箱の階段を登った先の1階と3階は外の空間となっている。貸店舗スペースはドアがある場所ない場所を設けたことで空間の多様性が広がる。
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●優秀作品 銀賞
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コアが動くビル:江刺家庸史
設計主旨:
センターコアを発展させ、コアを上から下にかけて斜めに突き刺して配置することで、変化にとんだ内部空間を生み出す。また、シンプルで軽やかな建築にするために、引き算的な発想で設計し、求められる機能を満たしながら多様な空間を構築した。
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●優秀作品 銅賞
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規則と不規則:嶋崎拓彦
設計主旨
サイズの違う塔をランダムに配置し、それをスラブが何重にも重なっている。基本的にスラブはスロープになっており、すべてが繋がっている。コアとしてガラス張りでないWC+EV塔がある。ランダムに配置されたガラス張りの建物としては、上に登っても形は変わらない規則的だが、周りを囲むスラブは不規則につながっている。それにより、自分のいるその塔、そのスラブの場所により、景色が変わったり光の入り方を楽しむことができる。
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