採型・採寸の種類について                     HOMEに戻る

  採型・採寸は義肢装具士法によって定められるもので、医師の指示のもとに行う特定行為にあたり、一部業務独占として取り扱われる。採型・採寸ができるものとしては、義肢装具士のほかに、指示を出す医師看護師ということになっている。
 特に病名がついている者が対象で治療を目的とした採型・採寸は違法にあたる。  

 A.採寸について

 B.採型の種類について

  1. ギプス包帯を使用した採型
  2. インプレッションフォームを使用した採型
  3. 印象材を使用した採型
  4. CAD-CAMによる採型
  5. 粘土を使用した採型


A.採寸について

 採寸は文字通り「寸法を採る」ものでテープメジャーや定規などを使用して、対象者の寸法情報を得る行為である。またトレースをとって生体の情報を紙などに記録することも採寸となる。 

正確な情報を得るために、身体の情報を正確に計測することが採寸であり、装具や義足を作るために、ギプスなどを用いて型を採る作業を採型といっている。

 

B.採型の種類について
  

1.ギプス包帯を使用した採型
 最も義肢装具士が多用する採型方法である。ギプス包帯とは包帯に石膏をまぶしたもので、石膏が水分と反応して硬化するため、バケツに張った水にギプス包帯を浸して患部に巻きつけて形状を採るものである。患部に巻きつけてギプスが硬化した後に図のように、取り外し足型とするのである。

  左:患部の採型            右:猫の採型??? 
2.インプレッションフォーム
  を使用した採型

 通称トリッシャムと呼ばれる商品名のインプレッションフォームである。素材は黒曜石を発砲焼成そたものと大変よくにた性質をもっており、外力に対して容易に砕け散る性質を持つ、映画などで頭部にビール瓶などを殴りつけてビール瓶が砕け散るシーンなどがよくあるが、このビール瓶と同じ素材である。容易に砕けるので、頭部に当たっても痛くないのである。
 触った感触は、パサパサになったスイカのようである。

このインプレッションフォームに足を踏み込むと綺麗に足裏の形が採れるのである。フェレット型も採ろうとしたが・・・無理みたいでした。
3.印象材を使用した採型
 歯科用アルギン塩酸印象材を使用して、形状をしっかりと採ります。5kgで1万円以上もする高額なもので、通常は、アルギン塩酸を利用した採型は行いません。
 ただし、右図のように通常の採型では適合が困難と考えられる特殊なケースで利用されます。
 印象材を利用した採型法は熟練を要します。もともとは歯型をとるためのもので小物中心の商品です。硬化時間は2分くらいです。
 方法は印象材に適量の歯科用石膏を混合します。歯科用石膏でないと綺麗に採型できません。この石膏を混合した瞬間から硬化が始まります。印象材は最初水飴のような粘り強さがあり、足型のように大物になると、石膏との混合にも時間とPOWERを必要とします。結果として足型を取る前に硬化したり、硬化時間を遅くしようと水を大量に混合したりすると、印象材が崩れてこれも失敗となります。絶妙な配合と時間との戦いでうまくいきます。硬化した後は、きれいに足型となります。硬化した印象材はゴムのようになり足を印象材から抜き取るのも容易であります。
 
4.CAD-CAMによる採型
 対象物に対して、カメラを4台〜6台以上を設置して、空間上の位置座標に数値化する。3次元的な形状をコンピュータ上に表示して、都合の良い形状に修正していくものである。現在、国内でCAD−CAMを実施している企業は少数であり、コストも高いことから、全国的に普及にはいたっていない。

参考(転載):労災リハ工学センター川村義肢山崎LAB
5.粘土を使用した採型
 粘土を使用した、採型であるが、主に手の形状や足裏の形状をとるために用いる。インプレッションフォームと同様の使い方と思ってもかまわない。インプレッションフォームと違い、押したときの抵抗感が程よいことから、歩行路に粘土を敷き詰めて、その上を歩いてもらうと、足型が残る。その足型をとることで、まさに歩行中の形状がしっかりと採れるというものである。
写真はなかったです。ごめんなさい