STV情報センター見学ツアー

 11月3日に行われたSapporoStyle主催のSTV情報センターの見学ツアーに参加した。
 この施設は、建築三研OBの伊達昌広さんによって設計されたものである。
 現在は地上デジタル放送化が進められている最中である。この情報センターは、STVの地上デジタル放送の拠点となる施設である。

 

 この施設は、約12mの1枚のガラスが大きく張られている。これは内部を大きく見せるフィルターの役割となっており、外部に向けて開放感をかもし出している。
 これには室内側から出されるラジオの電波をさえぎるフィルムをはり、外部への影響を考慮した仕上げとなっていた。

 

 道路側のディスプレイ部分はショーウィンドーの役割をはたしている。その空間には最上階までにつながる階段のシルエットが映りこんでおり、美しい眺めを提供している。
 新しい放送形態の拠点であると同時に、通りに面して「STVの顔」となるように、思い切ったデザインをされている。ちなみに、この階段は非常階段の役割をはたしている。

 

 

 内部には、2階建の上下階をつなぐ吹き抜けが空けられている。報道施設では珍しい造作である。これは、災害などの非常時に、直ちに情報が施設全体に行き渡らせることが出来るように設計されたものである。

 

 

 この見学ツアーで、新しい情報技術に対応した特殊な設計や、「放送」という役割を果たす空間を観察することが出来た。
 技術や用途など、個性が強い要求を満たすことができる「具体的な建築」を学ぶ、有意義な時間を過ごせた。

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